Stay with me 完全版_9

第8章 未来への足音

平次とたくさんキスをして
たくさん抱き締めあって

やっと、自分の場所に還ったと思った

幼なじみの平次は、照れ屋で、ぶっきらぼうて、いたずらっ子やった
恋人になってからの平次は、優しくて、強くて、甘えん坊や

幼なじみの頃よりも、素直に話をしてくれるし、ちゃんと話も聞いてくれる

平次と一緒にごはんを食べとると、おばちゃ
んがお客さんを連れて帰って来た

「リエ、平次と、和葉ちゃんや」

こんばんは、と頭を下げる私達に、リエさん
と呼ばれた人は、柔らかな笑みを浮かべた

「ええ、聞かなくともわかるわ
和美に、よう似とるなぁ」
生き写しや、と涙を落とした

おばちゃんは、客間やなくて居間にリエさんを通した

「和美とな、静華だけやねん」

屈指の名門大学に通う中、その大学を辞めて渡仏を決意したと言うリエさん
当然、周囲も家族も先生までが大反対
でも、おばちゃんとお母ちゃんがその背中を押したらしい

「和美にな、ウェディングドレスの代わりに
真っ白なワンピース、贈ったんよ」

「知ってます
お母ちゃんに、めっちゃ似合うてました」

胸がいっぱいで、涙が溢れる
あの日の、お父ちゃんを思い出して

お母ちゃんが亡くなって、お別れをしたあの日、お父ちゃんがお母ちゃんにあの真っ白な
ワンピースを着せてやってやって言うて
おばちゃんが花で飾ってくれて

眠るお母ちゃんは、ホンマにキレイやってん

その時、幼い私と平次に、おばちゃんが教え
てくれてん
あの真っ白なワンピースは、お母ちゃんの花嫁衣装で、仲良しのお友達が作ってくれたものやって

「銀司郎さん、1番幸せな時間を和美に持た
せてやりたいんやね」

花嫁衣装の真っ白なワンピース
大好きやった花
私と平次のおくるみ
みんなで写真を撮った3歳の七五三の写真
私と平次が描いた下手くそな絵や文字

平次と手を繋いで、お母ちゃんにバイバイし
たあの日を、忘れるハズは無い

「そう、やったの」

頷いた私に、平次がティッシュを渡してくれ
て、トレーナーの袖で、涙を拭うてくれた

リエさんは、どこかで見た顔やって思うたら
先日、権威ある賞を受賞したデザイナーさん
やった
確か、近々、日本にも逆輸入で初店舗を構えるつもりやって言うてたはず

「今日はな、リエ、わざわざアンタ達に会うために、一時帰国してん」

リエさんも涙を拭う

「2人に、一生に一度のお願いがあんねん」

リエさんは、鞄からスケッチブックを出した

「「モ、モデル???」」

私と平次は思わず顔を見合わせた
リエさんのお願いは、日本に新しく開く店の
イメージモデルを平次と私にやって欲しい、言う話やってん

「平次くんが探偵やって言うのは、知ってるし、その辺の事情はわかっとるから配慮する
つもりや」

カメラマンは専属やし、腕もある
撮影スタッフは厳選するし、学業に差し障らんようにする、と言うリエさん

平次は、参ったなぁ、と言う顔をしたけど、
ええですよ、と言うた

「その代わり、オレも和葉も顔出しとヌードはNGやで?」
「平次!💢」
「勿論や、そうやなかったら、静さんも銀司郎さんも平蔵さんかてOKしてくれへんわ」

リエさんはおばちゃんと笑うてる 

「へ、平次はええかもしれんけど、私は無理や、平次」

背も普通やし、胸も無いし
と言うと、平次がお茶を吹き出した

「か、和葉??オマエ要らん事考えるな💢
胸かて、大きけりゃええっちゅうわけでも無
いんやで?」

「せやかて平次、アンタ、紅葉ちゃんにグイグイ押しつけられて、デレデレしてたやん」

か、和葉!
スパーンと凄い音がして、平次が鬼の形相の
おばちゃんにしばかれた

「平次、アンタ、和葉ちゃん以外にも不埒な真似、しよったんか?💢」

「オレは無罪や!和葉にも、まだ不埒な真似出来てへんやろ??恋人になって1週間で留
学されて、今日、帰って来たばっかりやん」

手を出そうにも、出せる機会、何処にも無いやんか、ボケ!

「母親に向かってボケとはよう言うたなぁ」

平次とおばちゃんの喧嘩に、リエさんが爆笑
静華も、愛息子の前やと、普通にオカンやなぁ、と

「和葉ちゃん、何も心配せんでええ
和葉ちゃんには、モデルともう一つ、お願い
したい事があんねん」

うちの担当カメラマンがな、知り合いからええもん見せてもろうたって、教えてくれてん

「あ、この写真」
私が、向こうでおばちゃんから借りたカメラで撮影した写真
その中の、ホストファミリーを撮影した3枚組みの写真が、街の小さなコンテストで入賞したんや
友達みんなで、応募してん、色々と
入賞はびっくりしたんやけど、周囲がめっち
ゃ喜んでくれて、お祝いもしてくれてん

Kazuha Toyama
とネームタグのついたカメラも1台副賞で頂いたんや

「このコンテストなぁ、審査員の中に有名なカメラマンが仰山、シークレットで入ってて
うちのカメラマンの師匠も、その1人やったんよ、和葉ちゃん」
「「「ええっ」」」
「で、私がイメージモデルに、知り合いの娘さんと息子さんを起用したい、言うた時に、
和葉ちゃんの事、知っとるって」

あの写真、素敵やったわ、とリエさんは言うてくれた

「受賞式の写真も見て、和葉ちゃんやったら十分行けるってみんな言うてるし」

私には、1年間の契約期間中、私が撮影した写真の中から数点、店舗の中や色々な場所で利
用したい、言うねん

「専属モデルの件も、写真の件も、ちゃんとそれなりの額を出しますよって」

結局、平次が留学費用の足しにするから、やるぞ、と押し切り、私と平次は契約する事になったんや

私の学年末考査が終わり次第、何処だかで撮影がある、と言われ、私は怒涛の試験勉強に
突入する事に

「し、しまった!」
その夜、勉強中に平次が突然叫んだ

真剣な顔をして、私の両肩を掴んで言う
どないしよう、和葉、と

「な、何?平次」

出来ひんやん、と言うと、頬を染める平次
「その、あの、わ、忘れてへんやろ?
その、い、行く前に、した、約束」(//∇//)💕
(あ、あの、約束、ね)(//∇//)

わ、忘れてへん、けど
平次の膝の上に横抱きにされ、キスをされ、
耳に噛み付かれた

ひゃっ

「ま、ええか
いずれはするんやし、する相手はオマエやし
まずは、抱き締めたり、キスしたり出来る距
離に帰って来てくれたんやから、それを堪能
さはさればええか」

な、和葉、と笑う平次にキスをした

うん、正直、まだ少し怖い
するなら、相手は絶対、平次がええけど

「さ、後から一杯、イチャコラ出来るように
さっさと試験、片付けるで!」
うん💕

私達は、それから1週間、めちゃくちゃ勉強
した
どうしても、それなりの成績を収めたかった

だって平次、1番取ったんやもん

何か、口惜しいやん?
一応、その、彼女になった私が、平次と対等に張り合えないなんて

学校に行く時は、御守りに指輪を隠す事にして、私はいよいよ、決戦の日を迎えた


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to be continued 

7th heaven side B

Ame&Pixivにて公開した二次創作のお話を纏めて完成版として倉庫代わりに置いています^ ^

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